豊前江を思う新人審神者の問わず語り

 
1年前には豊前江が刀ミュの本公演で最後の挨拶を任されるなんて私には全く想像してなかった。
 
 
なんで1年前かって言うと私が刀ミュを履修し始めたのがだいたい1年くらい前だから。
ゲームを始めたのはちょうど5周年の頃。
周りの友達はもうほとんど誰も本丸に戻ってきていなくて、刀剣乱舞はずっと気になるゲームではあったけど周回ゲーだと聞いていたから、周りに話せる人はいないし、どうせ飽きてしまうかもしれないからと思って手が出せなかった。
そんな私を後押ししたのが資材大量プレゼントキャンペーン。
たくさん貰えるんだったら初めてもいいかな?って思って。
 
その頃、どれくらい私が刀剣乱舞のことを知っているかって言うと初期刀の顔と名前が一致するくらい。花丸は一応全部見てたし、pixivでとうらぶちゃんねるは見てたから知ってるキャラはいるけど名前と顔が一致しないのがほとんどだった。
 
始めるにあたってその当時実装しているキャラクターは全部確認した。
その中で気になったのが豊前江だった。
黒髪短髪、明るそうな笑顔、正直めちゃくちゃタイプだった。
調べると豊前江は特定のイベントのみの配布で、それ以外にはシールでの交換しか出来ない。
シールは始めた日の関係上、刀剣男士を引き換えられるほど貰えなくて、その特定のイベントも12月にあったばっかりで、それじゃあまだお迎え出来ないのか、豊前江の性格も分からないしとりあえず来てくれた子を育てて推しが見つかればいいかな〜って思った。
 
来てくれた子たちには愛着がわいた。初期刀の歌仙は頼もしかったし、初鍛刀の平野は可愛くて、チュートリアル後の鍛刀で来た長谷部も、太刀大太刀レシピしか最初から回してないのに打刀しかでなくて、ようやく来てくれた初太刀の鶴丸も、みんなみんな好きになった。
でも、推しにはならなかった。
 
そのうち他ジャンルでのサークル参加で忙しくしてたのもあってログイン出来ない日も増えてきた。鬼丸実装でcv.森川さんに惹かれてまた本丸に帰ってくるようになったけど鬼丸も推しにはならなかった。
 
そんなときに秘宝の里がやってきた。
報酬には豊前江がいた。嬉しかった。
その時初めてTwitter豊前江が気になってることを言った気がする。フォロワーさんも豊前江かっこいいよって言ってくれたと思う。
 
豊前江はもう何度目かの報酬だったから難なくうちの本丸にもやって来てくれた。
すぐに近侍にしたし、出陣もさせた。
これはやばいと思った、好きになると思った。
そこに追い討ちをかける軽装の実装。
もうハマるしかなかった。こうして豊前江は私の推しになった。
 
でも豊前江の供給は自分の想像以上に少なかった。
グッズも多くなかったし、その頃はpixivにも今ほど豊前江はいなかった。アニメも出ていない豊前江の唯一のメディアミックスからの供給はこの情勢で中止になってしまったミュージカルしかないと知った。
 
順番は前後するけど、ミュージカルの新作公演に豊前江が出ることは知っていた、なんならゲーム先行は申し込んでいた、外れたけど。
ただ、それまで2.5はほとんど履修していなくて(現地に行ったのは松ステだけで後は布教されてたペダステくらい)、2次元の推しが3次元になることが少し怖かったので、キービジュアルを見るのは避けていた。
今思えばよくその状態で申し込んだよなって思う、外れたけど。
 
ともあれそれしか供給がないのならと思ってライビュは見に行けたらくらいの気持ちでパライソのキービジュアルを見た。
衝撃だった。豊前江でしかないと思った。
すぐに俳優さんのすっぴんを見た。どストライクだった。
えっこんなことある??推しを、好きな顔を好きな顔が演じてるってそんな奇跡ある??
その時俳優さんのニコ生のアーカイブがギリギリ見れたので見た。声までどストライクだった。こんなことってある??
 
刀ミュに信頼を置き始めた私は刀ミュを履修し始めた。
ライブパートで沼った。しょうがない、こちとら15年以上ドルオタやってるんだ。アイドルみたいにキラキラしてる刀剣男士にすぐ沼った。
ちょうどゲームで育成中だった膝丸にドボンした。ちなみにこの頃もう豊前江はカンストしていた。
 
その後、豊前江の唯一の供給場所であったはずの刀ミュは静かの海のパライソの全公演の中止が決まって、翌年に再演が決まった。円盤の発売も中止になって供給されるはずの場所からの供給がなくなった。
それでも来年会えるのなら、それまで刀ミュの他の作品見て待ってるって思った。FCに動画も上がってたし。
ありがたいことに源氏の供給が多々あって、双騎もあったからあっという間に秋になった。
 
PV集の発売を心待ちにしている頃、音曲祭の出陣男士が発表になった。豊前江も膝丸もいた。パライソの前に会える機会が与えられたことがめちゃくちゃ嬉しかった。
FC先行で当選して、PV集のパライソの映像を意気揚々と見た。
パライソの映像は2分くらいしかないし、その中でも豊前江が映ってるところなんてほんの一部だったけど、私にとって動いている豊前江を見るのが初めてで、正直感動した。推しが動いている…推しが動いている!
この豊前江に1月会えると思ったら楽しみで楽しみで仕方なかった。
 
間もなく音曲祭が開幕する数日前、元旦。
豊前江が3月からの新作公演に出陣することが発表された。
動揺した。嬉しくて家で叫んだし泣いた。
出陣メンバーの中で本公演を経験しているのが推しだけ、この座組を引っ張っていく立場に推しがなる喜びとプレッシャー。パライソの前に新作を見る不安も少しだけあった。
けどやっぱり嬉しさのが勝った。音曲祭がもっと楽しみになった。
 
音曲祭で初めて生で見た推しは自分の想像以上に推しだった。推しが動いてた。
自名義が頑張ってくれてアリーナど真ん中の1桁列だったのもあり、未熟な私は夢を見るで何度も視線をもらった。
推しが存在していることを実感した。
 
推しの存在を実感する度に、カンパニーの中での推しの立ち位置が気になるようになった。
豊前江はゲーム内でもあと実装だし、カンパニーの中でも新人、やっぱり目立つのはこれまでこのカンパニーを引っ張っていった男士たち。
それは当然だと思う、実力も人気もあるし、刀ミュをここまで大きくなったのは彼らのおかげであって、その男士たちを抑えてまで推しに出てきてほしいなんて思ってない。
 
けど新作公演ではそのメンバーがいない、一緒に出陣する桑名江だって本公演は初めてだ。
心覚のキャストの中では年長だし、刀ミュの1番の経験者としてみんなを引っ張っていく立場。
新作公演が発表されたときに感じた喜びとプレッシャーを、本人でもないのに勝手に感じて勝手に心配してた。
 
心覚初日、豊前江本当に強いなって思った。
私の心配なんて杞憂だった。主役を立てて支えて、でも大事なところはきちんと締めて、音曲祭で突然跳ね上がった人気、期待にもちゃんと答えてた。それも真っ直ぐ真摯に。
凱旋で成長した姿を見るのが楽しみで送り出した。
 
そして凱旋、この2ヶ月の間に何があったのか、こんなに成長する物なのかと衝撃を隠せなかった。
座組全体もだし、個々も。
さらに成長したみんなを、さらに引っ張る推しがすごいと思った。
MCだって回して、誰よりも走って、誰よりも主たちを煽って盛り上げてた。
 
全く私は何を心配していたのかと。豊前江のことを分かってもいないでそんなことを心配していた自分が恥ずかしかった。
音曲祭で魅力を見せつけて、客を引っ張ってきたのは誰だったのか、推しじゃないか。
音曲祭の時点で期待にもう答えていたのに、全然見えていなかったのは私の方だと。
 
お疲れさんなんて声をかけてもらえるなんて思ってもなかった。推しから拍手がもらえるなんて想像したこともなかった。
世の中には私よりもずっとずっと大変な人がいて、なんなら今休業要請で仕事減ったしゆるゆる生きてるけど、それでも理不尽なクレームに耐えることも、突然暴言を吐かれることもあって、接客だからね、仕方ないと割り切ってはいるんだけど、それでもつらいときはつらくて、そんなときに推しの存在がどれだけ励みになっていたか。
 
それなのに、感謝を伝えたいのはこっちなのに、この数ヶ月間私生活を擲ってまで千秋楽まで走ってくれたことを労いたいのはこっちなのに、推しの言葉がじんわりと心に染み渡って、あー私頑張ってたんだなあって、頑張っていることを知ってくれてたんだなあって。もちろん私たちが何をどう頑張ってるかなんて分からないだろうけど、音曲祭でも加州清光が言っていたように、頑張っていることを知ってくれていることがこんなにも心強いことなんだって改めて受け取ることが出来た。
 
 
1年前には全く想像していなかった最後の挨拶をする推しを見て、私は本当に豊前江が誇らしかった。私の推しすごいんだよ!
 
正直なところ、こんなことを言っても仕方ないけど、パライソを見てから心覚を見たかった気持ちもあった。
パライソ履修してなくても大丈夫ってパライソを見た人は言ってたけどそれは話の筋のことで、私は豊前江が語る静かの海を見ていない。同じ景色を見たかったと思った。
けど凱旋公演で太田道灌に静かの海を語る豊前江の瞳に、表情に、静かの海が見えた。何言ってるのかって思うけど本当に見えたの、キラキラ〜って。
 
太田道灌役の有馬さんに、いい表情をするって褒めてもらってたけど、それって太田道灌にも静かの海が見えてたのかなって、だとしたら本当にすごいなって!
 
だからパライソ見たかったなって気持ちも薄くなっちゃった!だって豊前江が見せてくれたと思えるから。
もう何があっても大丈夫、どんなことも乗り越えられるんだって証明してくれた推しを私はこれからも見守り、応援したい。
 
パライソが終わるころには心覚の円盤も出るし、そのときに今度こそパライソを見てから心覚を見るのを楽しみにしてる。
 
本当は静かの海まで乗せてってもらいたいけど、現地集合らしくて先に待っててくれるみたいだから私も後から行くよ。
心覚のメンバーにもいつかまた会えますように。